訪米中のダライ・ラマ14世、「同性婚に問題なし」
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チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世が、訪米中に発表されたインタビューの中で同性婚に問題はないという立場を示し、同性愛嫌悪を非難するとともに、仏教とは異なる習慣の人々の間で合意の上で行われる性行為は気にしないと述べた。
ダライ・ラマは米国の著名司会者ラリー・キング」氏によるオンライン・トークショーで、同性婚はそれぞれの政府次第であり、最終的には「個人的な事柄だ」と述べ、「2人の人間──カップルが、その方が現実的だと感じ、満足が得られ、両者が完全に合意しているのであれば問題ない」と語った。
また公共政策と個人の道徳を区別し、性について人は自らの宗教の規範に従うべきだと述べつつ、「しかし、信仰を持たない者については彼ら次第だ。性にはさまざまな形があり、安全で、(両者が)完全に合意していれば問題ない」と語った。
仏教徒が多数派を占める国で同性婚を認めている国はないが、ネパールや台湾、ベトナムなど仏教の影響が濃い国のいくつかでは同性婚について議論が高まっている。
中国統治下のチベットから1959年にインドへ亡命し、後にノーベル平和賞を受賞したダライ・ラマは進歩的な立場を自認し、自らのことをフェミニストと称している。しかし同性愛者の権利に関しては過去に一部の欧米人を困惑させる発言があり、ある著書の中ではあからさまに同性愛を批判してはいないものの、性的行為は「セックスを前提とする器官」だけで行うべきだと述べたことがある。
米国で広い支持を得ているダライ・ラマは6日、米議会を訪れた。先月21日にはバラク・オバマ大統領とホワイトハウスで会談し、ダライ・ラマの国際的な活動に反対している中国から非難された。